バイオマス資源を最大限に活用し、低炭素・資源循環型の地域社会モデルを実現
事業概要
豊橋市バイオマス利活用センターは、下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥、生ごみを資源とする複合バイオマスエネルギー化施設として、バイオマスの100%エネルギー化やCO2を削減し、エネルギーの地産地消や地球温暖化防止対策など環境の保全に寄与します。
施設配置
施設は周辺住宅地から離し、植樹帯を設けるなど圧迫感のないように配置しています。収集車の搬入に対しても処理場内に待機スペースを確保して、処理場外に待機しないように配慮しました。
生ごみ及びし尿・浄化槽汚泥の受入は、受入棟内で行います。建物の中は部屋全体を脱臭ファンで吸引して負圧にすることで、建物内から臭気が外に漏れないようにしています。
設備概要
①下水汚泥濃縮設備
中島処理場の水処理施設から発生する下水汚泥を濃縮する設備です。低動力型のベルト濃縮機を採用し、省エネルギー化を図っています。
②し尿・浄化槽汚泥濃縮設備
バキューム車でし尿等を受入棟内に搬入します。本設備では、スクリーンで砂・きょう雑物を取り除き、濃縮します。
③生ごみ受入・前処理設備
収集車で生ごみを受入棟内に搬入します。生ごみにはメタン発酵に適さない不適物が含まれており、破砕分別機でビニール類などの発酵不適物を取り除き、さらに沈降物除去槽で卵・貝殻類なども除去する設備です。そして、水と混合して泥状の液体(スラリー)として、メタン発酵の原料にします。
④メタン発酵設備
下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥、生ごみをすべて混合してメタン発酵設備に投入し、バイオガスを生成します。メタン発酵設備で、メタン約60%、二酸化炭素約40%のバイオガスが生成されます。バイオガスの熱量は都市ガスの約半分です。メタン発酵槽内はガスエンジン発電機より得られた熱(排熱)を利用して約35℃の温度に保たれています。発酵槽は容量5,000m3の鋼板製水槽です。槽内には低動力型の撹拌機を設置し、内部が均一になるよう24時間撹拌しています。
⑤バイオガス利活用設備
バイオガスには不純物として微量の硫化水素が含まれており、この成分は機械を腐食させるため、生物脱硫設備で硫化水素を取り除きます。
その後、バイオガスはガスホルダ(容量2,000m3)に一旦貯留し、燃料として一定量を発電設備に送り電気を作ります。バイオガス発電設備には、高感度ガス検知器、温度センサーを設置し、異常を検知した時は自動停止する安全装置を付けています。
発電した電気は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用して電気事業者に売却しています。
⑥発酵後汚泥利活用設備
メタン発酵後に残った汚泥を汚泥脱水機で含水率約80%まで脱水し、炭化設備で炭化燃料に加工します。炭化燃料は、石炭の約半分の熱量を持つ化石燃料の代替としてボイラ燃料などに利活用します。
受入バイオマス | 汚泥 | 約 472m3/日(受入量) |
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生ごみ | 約 59t/日(受入量) | |
主要構造物 | 受入棟 | 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上2階 延床面積 3,012.7m2 |
濃縮脱水棟 | 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上2階 延床面積 1,216m2 |
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メタン発酵槽 | 鋼板製 5,000m3×2基 直径21m×高さ18.3m | |
ガスホルダ | 鋼板製 2,000m3×1基 直径15.5m×高さ17.3m | |
洗車棟 | 鉄骨造 地上1階 延床面積 1,338m2 | |
主要設備能力 | 下水汚泥濃縮設備 (余剰汚泥濃縮機) |
処理量 30m3/時(3系列) |
し尿・浄化槽汚泥濃縮設備 (濃縮機) |
処理量 9m3/時 | |
生ごみ受入・前処理設備 (破砕分離機) |
処理量 6t/時(3系列) | |
メタン発酵設備 (メタン発酵槽) |
湿式 中温(約35℃)発酵方式 | |
バイオガス利活用設備 (ガス発電設備) |
発電機 1,000kW:固定価格買取制度(FIT)による売電 | |
汚泥利活用設備 (炭化設備) |
6t/日(炭化物) | |
付帯事業 (未利用地利活用業務) |
太陽光発電設備 | 約2.0MW(1,995kW):固定価格買取制度(FIT)による売電 |